3つの資本の重要性:資本をどのように分配するのか?
私たちは会社員、自営業者、公務員のどこかに属しているのではないでしょうか。さて三者の中で最も幸福度が低いのは誰でしょうか?
正解は「会社員」です。
安定面の満足度では公務員が一番高く、収入ややりがいの満足度では自営業が一番高くなります。その中間に位置する会社員の幸福度が低くなってしまうのです。
では自分自身の幸福度を考える時に何を考えたらいいのでしょうか。「幸福の資本論」では生き方について3つの柱のバランスを考えることが提唱されています。「金融資本」「人的資本」「社会資本」の3つの柱のバランスを調整することで幸福感を得られるそうです。
金融資本は良く分散され、人的資本は好きな仕事に集中投資し、社会資本は少しの強いつながりと多くの弱いつながりが、著者が考える良いバランスです。
金融資本とは
金融資本とは、お金のことです。貯金、株式、不動産、保険、借金と色々なものがあります。お金持ちになりたければ「富=収入―支出+(資産×運用利回り)」の式に則り富の額を大きくすれば良いだけです。
「資産×運用利回り」は金融資本を大きくする方法で、「より大きな金額」を「安定した商品」で運用することで富を大きくしていけます。
人的資本とは
人的資本とは、自分が働いて生み出す価値やお金のことです。私を含めて多くの人が会社に人的資本を投資しています。富を生む出す目的であれば金融資本と同じように、「より高い給料」が貰えて、「安定」している所に人的資本を投資するのが良いことになります。
しかし、人的資本にはもう一つ「同じ給料または少ない給料でも『自己実現』できる」方がよいというルールがあります。つまり、働いている自分自身が楽しいと思えることがお金よりも重要になってきます。
社会資本とは
社会資本とは、友達のことです。学生自体からの友達、会社の友達、地域の友達が考えられます。あなたの友達はいつ、なぜ友達になったのでしょうか。
友達とは「平等体験」をしている人達です。
頭が良くても悪くても同じクラスの隣の席の子と友達になり、同じ配属先で苦労を共にした人たちには友情が芽生えています。「平等体験」を積み重ねることで強いつながりが生まれていきます。強いつながりの思い出は私たち自身の生活を豊かにしてくれます。そして強いつながりの友達がいるからこそ安心し、楽しい、と思えるのです。
最近では、お金によって簡易的な弱いつながりを作ることができるようになっています。習い事の友達や朝活仲間、ボランティア団体など目的に合わせてコミュニティを手に入れることが出来るようになっています。弱いつながりは目的のために素早く集まり解散も素早いです。そのため強いつながりの中で生じるストレスは少ないのがメリットです。弱いつながりも別の充実した生活を私たちに提供してくれています。
どれだけあれば満足するのか?
「限界効用の逓減」という言葉があります。
本著が書かれた2017年時点では、収入と幸福度のグラフは年収800万円までは右肩あがりに比例します。しかし、年収800万円以降の幸福度は伸び悩むことが分かっています。これはある程度のお金を手に入れると初めの頃の喜びが得られなくなるということです。あなたも喉が渇いた時の一口目はすごくおいしいけれど、その後のおいしさは一口目には敵わないのではないでしょうか。
「限界効用の逓減」は、私たちの生活ほぼすべての事に当てはめることが出来ます。つまり私たちは報酬では、どこまで行ってもその状態に慣れてしまって満足できないのです。
満足した生活にするには?
私たちはどこまでいっても満足できないのであればどうすれば良いのか。
「好きなことを仕事にする」しかないというのが筆者の答えです。
好きなことで生活できるようになれば、今のようにお金を貯める必要が無くなります。老後2000万円問題も解決します。なぜなら、好きなことはずっと続けることが出来るからです。老後=退職が無くなれば問題にすらなりません。嫌な仕事を老後まで耐えるくらいなら、好きなことを探す行動を起こした方がよいことに気が付きました。過去自分が「好きだったこと」「得意だったこと」「今もずっと続けていること」を今一度思い起こしてみようと思います。
まとめ
- 金融資本:経済的独立
- 人的資本:自己実現
- 社会資本:少しの愛情空間(強いつながり)+多くの貨幣空間(弱いつながり)
3つの資本をバランスよく調整することが大切です。
金融資産は良く分散され、人的資本は好きな仕事に集中投資し、社会資本は少しの強いつながりと多くの弱いつながりで生活する。
どの程度が心地よいと感じるかを自問自答していきましょう。
おまけ:「億男」と「3年A組-今から皆さんは、人質です-」から学ぶこと
私が最近みた映画、ドラマを紹介します。
「億男」https://www.hulu.jp/million-dollar-man
宝くじで手に入れた3億円を親友に持ち逃げされます。親友を探すと同時に、お金でかつての幸せな家庭を取り戻そうとします。お金があるはずなのにない状況で主人公は葛藤します。本当に必要なものは何かを考えるきっかけになる映画です。
「3年A組-今から皆さんは、人質です-」https://www.hulu.jp/3a10
社会資本=友達関係が有名になることで、保てなり自殺してしまいます。自殺にまで追いやられる状況が、お金を手に入れたこと友達関係が変わることに似ていると感じました。社会資本のバランスを考えさせられるドラマです。